AI開発コネクト
コラム・調査

AI開発の相見積もりは何社に頼むか。3社が基準になる理由と、増やすほど増える自社の工数

1社増えるごとに自社へ5.5時間。3社で約25時間、5社で約36時間という試算から社数を決めます。3社が基準になる理由、増やしてよい3条件、減らしても質を落とさない工夫をまとめます。

公開: 2026.10.14 / 更新: 2026.10.14

AI 開発の相見積もりで、最初に決まらないのが社数である。2 社では比べた気がしない。5 社に声をかけると、見積書が揃う前に自分の手が止まる。

社数の答えは「会社の数」ではなく「自社がかけられる時間」から決まる。相見積もりは依頼した瞬間に、発注側にも作業が発生する。その作業量を先に置いてから社数を決めると、途中で止まらない。

以下の時間の数字は、案件票の項目と一般的な商談の流れから組み立てたモデルケースの試算であり、統計ではない。自社の体制に合わせて置き換えて使ってほしい。

机の上に3通の見積書と1台の天秤、脇に積まれた質疑応答の控え

1 社増えるごとに、自社に増える作業

相見積もりの作業は、1 回で済むものと社数の分だけ増えるものに分かれる。ここを混ぜると「社数を増やしてもそんなに変わらないだろう」と見誤る。

社数に関係なく 1 回で済むもの

  • 目的・予算・納期を社内で固める
  • 案件票(要件をまとめた依頼書)を 1 通作る
  • 社内の決裁ルートと期限を確認する

案件票は 1 通作れば全社に同じものを出せる。揃えるべき 12 項目はAI開発の相見積もりで条件を揃える12項目にまとめた。

社数の分だけ増えるもの

作業 1 社あたりの目安
初回の説明・ヒアリング対応 1.5 時間
質疑への回答(メール 3〜5 往復) 1.0 時間
提出された見積書を読む・不明点を洗う 1.0 時間
追加質問と再提出のやり取り 1.0 時間
社内比較資料へ 1 社分を追加する 0.5 時間
見送りの連絡と理由の説明 0.5 時間
合計 5.5 時間

この 5.5 時間に社数を掛ける。

依頼社数 自社の追加工数 1 回で済む分(約 8 時間)を足した合計
2 社 11 時間 約 19 時間
3 社 16.5 時間 約 25 時間
5 社 27.5 時間 約 36 時間
7 社 38.5 時間 約 47 時間

5 社だと、担当者 1 人のほぼ 1 週間が相見積もりに消える。7 社は、他の業務と並行する前提では現実的でないことが多い。

3 社が基準になる 3 つの理由

1. 2 社では「高い・安い」しか分からない

2 社の金額が 400 万円と 900 万円だったとき、どちらが相場かは判断できない。400 万円が安いのか、900 万円が高いのか、それとも範囲が違うのかが切り分けられない。3 社目が入ると真ん中が見えるようになり、外れている 1 社の理由を探しにいける。

3 社の金額が大きく割れたときの読み方は見積もりが300万・800万・1500万円。5倍の差はどこで生まれるのかで分解している。

2. 辞退と返事なしを見込める

声をかけた全社から見積書が返ってくるわけではない。要件が合わない、時期が埋まっている、予算が合わないなどの理由で辞退は普通に起きる。辞退の理由と、返事が来ない依頼文の直し方はAI開発会社が見積もりを辞退する7つの理由に書いた。

3 社に声をかけて 2 社から返ることは珍しくない。3 社を「比較したい数」ではなく「確保したい回答数」と考えると、声をかける数は 4 社になる。ここで増やすのは、比較の精度を上げるためではなく、欠けたときの保険である。

3. 各社の工数も限られている

見積もりを作る側にも工数がかかる。1 件の AI 開発の見積もりは、要件の読み込みと構成の検討で数時間から数日かかる。声をかけた会社が多いと知られると、提出の優先度が下がることがある。「何社に声をかけているか」を聞かれたら正直に答えてよいが、桁を増やすほど真剣に見てもらえるわけではない。

社数を増やしても精度が上がらない場合

ここが落とし穴である。条件を揃えずに社数を増やすと、金額の散らばりが大きくなるだけになる。

各社が別々の前提で見積もると、A 社はデータ整備を含み、B 社は含まず、C 社は精度目標を自己流に置く。この状態で 5 社並べても、5 つの違う話が並ぶだけで、比較の材料にならない。

  • 条件が揃っていない 5 社 → 金額の幅が広がる。どれが妥当か分からない
  • 条件が揃っている 3 社 → 差の原因が範囲・工数・単価のどれかに絞れる

社数を増やす前にやることは、案件票を 1 段細かくすることである。同じ土俵に乗せる手順はAI開発の相見積もりを比較する方法で扱っている。

3 社より増やしてよい 3 つの条件

次のどれかに当たるときは、4〜5 社に広げる価値がある。

  1. 分野が特殊で、得意な会社の見分けがつかない。音声・画像・帳票など、技術の軸が違う分野が混ざる案件では、得意不得意が金額に大きく出る
  2. 予算の桁が社内で決まっていない。1,000 万円なのか 300 万円なのかが決まっていない段階では、範囲の広いサンプルがほしい
  3. 最初の 3 社のうち 1 社が極端な値を出した。他より 3 倍、または 3 分の 1 のときは、4 社目で中央がどこかを確かめる

逆に、既存システムの改修で事情を知っている会社がある場合や、対象業務の規程・業界慣習の理解が必須な場合は、2 社でも足りることがある。単独指名が有利になる条件は相見積もりを取るか1社に絞るかで整理した。

社数を減らしても比較の質を落とさない 3 つの工夫

社内の工数が確保できないときは、社数ではなく情報の量で補う。

  1. 提出形式を指定する。費目の並びと単位(一式/人月/月額)を指定しておくと、読む時間が 1 社 1 時間から 20 分に縮む
  2. 質疑を 1 回にまとめる。各社の質問を集めて、回答を全社へ同時に共有する。往復回数が減り、条件のずれも防げる
  3. 概算レンジで一次選抜する。詳細な見積もりは 2〜3 社に絞ってから依頼する。最初の段階では範囲と桁だけ出してもらう

社内で社数を説明するとき

稟議で「なぜ 3 社なのか」と聞かれることがある。答えは「相場を確認でき、自社の工数で回せる最小の数」である。

あわせて、比較に使った条件が全社同じであることを示せると、社数の少なさは論点にならなくなる。逆に 5 社の見積書を並べても、条件が違えば「他も当たったか」と戻される。

無料で相見積もり・相談では、案件票を 1 通作ると、条件の一致する会社にそのまま同じ内容が渡る。項目が揃った状態で各社の金額が並ぶため、社数を増やして情報量を稼ぐ必要が小さくなる。要件が固まっていない段階では、相談として概算レンジと進め方だけを受け取ることもできる。

まとめ

社数は目的ではない。確認したいのは「この金額が妥当か」であり、それを判断できる最小の数が 3 社である。

増やすなら、先に案件票を細かくする。減らすなら、提出形式を指定して質疑をまとめる。自社の工数を 25 時間なのか 36 時間なのかで置いてから決めると、途中で止まらずに比較まで到達できる。

AI開発の見積もりを、同じ条件で比べる。

条件を整理した 1 枚の案件票で複数のAI開発会社に依頼。初期費用だけでなく、データ整備・API 費・精度検証・保守・権利まで同じ列で比較できます。

無料で相見積もり・相談する →
無料で相見積もり・相談30秒で費用診断