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TikTokで今、感情を記録する「エモログ動画」がブームに?共感とセルフケアをつなぐ新トレンド

2025年春、TikTokでは「感情を記録する動画」、いわゆるエモーショナルログ(通称エモログ)という新しい動画フォーマットが急速に拡大しています。

これは「朝起きた時の気分」「ある出来事での心の動き」「一日の終わりの感情整理」など、ユーザーがその瞬間の感情を“ナレーション・字幕・映像・音楽”によって表現する短尺コンテンツのことを指します。

単なる日記やVlogではなく、「見せる感情」「共感される感情」としてTikTok上で可視化・共有されるのがこのトレンドの特徴です。

本記事では、TikTokにおける感情記録動画の潮流を「なぜ流行しているのか」「どんな形式があるのか」「ブランドはどう活用すべきか」の観点から解説します。

なぜ今「エモログ」がZ世代・α世代に支持されているのか?

TikTokでエモログが注目されている背景には、Z世代を中心とした「感情のシェア文化」と「自己ケア需要の高まり」があります。

以下のようなニーズが交差することで、この動画ジャンルは自然と拡散性を持つようになっています。

  1. 感情を言語化・可視化して整えたいというセルフケア的な衝動

  2. 他人の感情と“ゆるくつながる”ことで孤独を緩和したいという共感欲求

  3. ハッシュタグでの検索性の高さ(例:「#感情記録」「#夜のひとこと」「#心の音」)

  4. 自撮りや話すことが苦手な人でも、音楽・字幕・素材だけで表現できるフォーマットの簡易性

特にTikTokは視聴のテンポが早く、コンテンツが感情を揺さぶる構成に適しているため、エモログとの親和性が非常に高いのです。

エモログ動画の代表的な形式と演出パターン

感情記録コンテンツにはさまざまな形式がありますが、特に人気を集めているフォーマットは以下の通りです。

1. 日別ログ:一日の感情を30秒でまとめる

「今日はこんな日だった」
「良い日だったけど、夜になって急に孤独を感じた」など、
1日の終わりに気持ちを振り返る形式。

構成要素:

  • BGM(静かで余韻がある曲が多い)

  • 字幕での感情表現(手書き風フォントが多用)

  • 日中のスナップ的映像(自室、空、手元など)

  • ラストに「明日も、もう少しだけがんばる」といった締め

2. 感情一言ログ:「一瞬の心の声」を切り取る

  • 「言えなかったありがとう」

  • 「ちゃんと怒ればよかった」

  • 「たぶん期待してた自分が一番ダサい」

このような、詩のように短い一言で“共感”を生むパターン。
コメント欄では「これ、まさに今の私」「保存しました」といった反応が集まりやすい。

3. 朝の感情宣言ログ:1日の始まりに投稿する形式

  • 「今日はなんだか晴れた気持ちで起きた」

  • 「ちょっと不安。でもコーヒー飲んで落ち着いた」

  • 「朝なのにもう疲れてる自分へ」

この形式は特に“朝の投稿習慣”とセットで定着しており、フォローのきっかけにもつながりやすい構造です。

4. 他者視点からのエモログ:ナレーション形式の進化版

  • 「彼は今日、会社を辞めた。理由は話さなかったけど」

  • 「この子は本当に、よく頑張ってると思う」など、
    まるでドキュメンタリーのように、他者を主語にすることで間接的に自分を語る手法。

この形式は“フィクション×リアル”の文脈ともつながっており、視聴者を引き込む力が強い。

使用される音源・フィルターにも傾向がある

エモログ動画では以下のような要素が選ばれやすい傾向にあります。

  • 音源:ピアノ、アコースティック、ローファイ系BGM

  • フィルター:明るすぎず、淡いトーン(Sepia、Dusty、Glowなど)

  • テキスト:丸ゴシック、手書き風、筆記体の字幕フォント

  • 映像:人物の顔は出さずに“気配”で感情を伝える(カップ、窓、足元、空など)

これらの演出が共通しているため、エモログ系動画は“ジャンルとしてのまとまり”を持ちやすく、関連動画のレコメンドにも乗りやすい設計となっています。

エモログトレンドが企業マーケティングに与える可能性

このトレンドは個人発信だけでなく、企業のブランディングやコミュニティ形成にも応用可能です。以下に主な活用アイデアを紹介します。

1. ブランドの日常や裏側の“感情ログ化”

  • スタッフの「今日はこんな想いで仕事を終えました」

  • 商品開発者の「リリース前夜の気持ち」

  • 店舗閉店後の「1日の振り返り」

こうした“企業の日常”をエモログ形式で投稿することで、「中の人の感情」に共感したユーザーからの支持を得やすくなります。

2. 顧客のストーリーを“感情軸”で再構成する

  • 「このコスメに出会ってから、自分の肌が好きになれた」

  • 「あの靴を履いて、新しいバイトに向かった朝」など、
    ユーザー体験をエモーショナルに再編集し、ナレーションと字幕で再現。

UGC活用やリール型CMとの相性も抜群です。

3. 社会的メッセージとの組み合わせ

  • メンタルヘルス

  • 孤独とつながり

  • 若者の自分探し支援

こうしたテーマをエモログ形式で伝えることで、キャンペーンやCSR活動のメッセージがより深く刺さる可能性があります。

ハッシュタグとリーチ戦略:どう広げるか?

エモログ系コンテンツの拡散には、感情系・時間系・日常系のハッシュタグが効果的です。

代表的なタグ例:

  • #感情記録

  • #エモログ

  • #今日の気持ち

  • #夜の独り言

  • #自分整理中

  • #朝の気持ちログ

  • #心のメモ

  • #ひとこと日記

  • #考えごとの途中

  • #感情で繋がろう

また、シリーズ化する際は「#月曜の気持ち」「#〇月〇日の気持ち」など、日時タグとの連動も有効です。

今後の展望:TikTokは“感情の共有プラットフォーム”へ

エモログトレンドの拡大は、TikTokが単なるエンタメやトレンド発信の場ではなく、**「感情の共有と記録を行う自己表現空間」**として進化している証拠です。

今後は以下のような展開も予想されます。

  • 自動字幕生成×感情認識AIによるエモログ支援ツール

  • 感情ジャンル別のプレイリスト型フィードの実装

  • メンタルケアアプリとの連携によるエモログ診断機能

  • ブランドによる「感情共鳴型コミュニティ」の形成(例:「夜の気持ち」限定アカウントなど)

エモログというフォーマットは、匿名性・創造性・共感性を兼ね備えているため、TikTok上での新しい「自己開示と関係構築」の形として今後ますます広がる可能性があります。

まとめ:エモログは感情を資産化する新しい動画文化

TikTokのエモログトレンドは、「情報を発信する」のではなく「気持ちを残す」「感情でつながる」ことを主眼に置いた新しい動画文化です。

「日常を残したい」
「誰かに言いたいけど、面と向かって言えない」
「誰かの同じ気持ちに出会いたい」

こうした潜在ニーズに応えるフォーマットとして、エモログはZ世代・α世代の“感情インフラ”になりつつあります。

マーケターやブランド運用担当者としては、以下のようなアクションを検討してみてください。

  • 自社の提供価値を「感情の変化」として再編集してみる

  • ストーリーではなく「感情が残る構成」で動画を作ってみる

  • ハッシュタグを使って“感情で繋がる動画シリーズ”を運用してみる

TikTokの未来は、もはや“注目される”だけではありません。
どれだけ“感情を動かせるか”が、バズと支持の両方を決定づける時代です。

エモログは、その最前線にあるトレンドと言えるでしょう。

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