TikTokで“密着型コンテンツ”が再ブーム中?ルーティン動画の進化とブランド活用術

2025年のTikTokでは、再び“密着動画”が注目されています。

もともと人気ジャンルのひとつである「モーニングルーティン」や「ナイトルーティン」は一定の支持を得ていましたが、近年はそれをさらに拡張した“1日密着型”のコンテンツが、Z世代を中心に拡大しています。

しかもそれは、ただの日常切り取りではなく、自己表現や職業理解、共感の設計に基づいた動画設計として進化しています。

本記事では、TikTokにおける密着コンテンツの最新トレンドを分析し、企業アカウントがブランディングや採用、商品訴求に活かすための実践ノウハウを解説します。

なぜ今「密着動画」が再注目されているのか?

TikTokのタイムラインでは2025年に入り、以下のような動画が再び伸び始めています。

  • 高校生の「部活から帰宅まで」密着

  • 鉄道会社の「夜勤乗務員の1日」密着

  • 美容師の「1日で何人カットするか」記録動画

  • 中小企業の「製造現場の裏側」密着

  • フリーランスの「本当にだらけた休日」密着

共通しているのは、過剰な編集を避けつつ、一定のストーリー性とリアリティを持たせている点です。

Z世代やα世代のユーザーが求めているのは、「映える生活」よりも「誰かの日常を一緒に覗いているような感覚」。
密着動画は、そのニーズにぴったりフィットするフォーマットなのです。

密着型コンテンツの構成パターンと視聴者の反応

密着動画にはいくつかの構成スタイルがあり、TikTokでは以下のようなパターンがよく見られます。

1. タイムスタンプ形式で時間を区切る

例:

7:00 起床
8:30 通勤
9:00 朝礼
13:00 ランチ
18:00 終業
21:00 ネトフリ観ながら晩ごはん

この構成は視認性が高く、視聴者が「この後何が起きるのか」を予測しやすいメリットがあります。

特にBGMとナレーションを組み合わせた構成が人気で、音声なしでも字幕だけで内容が理解できる動画が伸びやすい傾向にあります。

2. ループ可能な編集で“リピート再生”を促す

冒頭とラストに同じカットやセリフを入れて、自然にループさせる手法も増えています。

例えば「朝のコーヒー」→「1日の終わりのコーヒー」で始まりと終わりをつなぎ、「あれ?もう一周見てた」という流れに。

これはTikTokのアルゴリズムにおいて、再生完了率や視聴時間の指標を上げる要素として非常に有効です。

3. コメント回収型のシリーズ構成

「昨日の動画で“もっと朝の準備見たい”って言われたので、今日はそこを中心に密着してます」など、
コメントからシリーズ動画を展開するクリエイターも増えています。

この方式はユーザー参加型の運用として定着しやすく、視聴習慣を形成する上で強力な仕組みになります。

注目のTikTok密着アカウント(個人編・企業編)

2025年春現在、密着コンテンツでフォロワーを急増させているアカウントには共通点があります。

【個人系】

  • 高校生インフルエンサーの「登校から就寝まで」動画が共感を呼び、15万フォロワー突破

  • 副業ワーカーの「昼は営業マン、夜はバーテンダー」の2拠点生活がバズ

  • 地方在住の獣医師が「1日5軒まわる往診ルーティン」で人気に

【企業系】

  • 鉄道会社が夜勤乗務員の裏側を紹介、応募数が前年比150%に

  • 製造業の工場ライン紹介動画が30万再生、「黙々と作るの気持ちいい」と話題に

  • 歯科技工所が「1本の義歯ができるまで」を2分にまとめ、業界理解促進に貢献

企業のアカウントでも、商品やサービスのプロセスを“物語として見せる”アプローチが好反応を得ています。

密着動画は「リアルなブランディングツール」になる

密着型コンテンツの最大の魅力は、ブランドメッセージを“言わずに伝えられる”ことにあります。

例えば、以下のような伝えたいことが自然と動画の中に込められます。

  • 社員の人柄 → 雰囲気、喋り方、ちょっとした行動から伝わる

  • 組織の風土 → 働き方や休憩時間の様子、上下関係の距離感など

  • 商品の品質感 → 製造・設計・現場のこだわりが“無言で伝わる”

  • 企業の姿勢 → 業務の丁寧さや、ユーザー対応の細やかさ

これらは通常の広告では伝えきれない情報であり、TikTokの“覗き見感”と密着スタイルによって初めて自然に表現できるのです。

企業アカウントが取り組むべき密着コンテンツ制作の流れ

ここからは、企業がTikTokで密着型コンテンツを制作・運用するためのステップをご紹介します。

1. 「密着したい人」「密着すべき仕事」を選ぶ

  • 現場スタッフ(営業、製造、接客など)

  • バックオフィス(経理、人事、広報など)

  • パートナー企業(配送、委託先など)

  • 経営者・役員の1日(権限があれば)

まずは身近なところで、「語らずとも伝わる価値」がある仕事を選ぶことがポイントです。

2. 撮影は“1日密着風”にこだわりすぎない

全日程をリアルに追うのではなく、印象的な時間帯やタスクをつなぎ合わせて「それっぽく編集」するだけでも成立します。

1日密着=カットの順番に意味がある
というよりは、「その仕事がどんな風に流れているか」が伝わればOKです。

3. 字幕とBGMで構成のテンポを整える

密着動画において、字幕は必須要素です。

  • タイムスタンプ

  • コメント的なツッコミ(「これは苦戦しました」など)

  • 心情や裏話(「これ、地味に緊張します」など)

これらを字幕で補うことで、視聴者は“動画の行間”を理解しやすくなります。

BGMは控えめながらリズムのあるものを選び、ループを意識した長さに調整するとアルゴリズムにも好まれます。

4. コメントやDMで視聴者の声を拾い、企画へ反映

密着動画の大きな強みは、視聴者が「もっと見たい」と思う部分に素直に反応してくれる点です。

「この工程の詳しいところも知りたい」
「別の職種の人にも密着してほしい」
「昼休みのリアルも見たい」

こうした声を拾って、次回投稿やシリーズ化につなげることで、コミュニティとしてのアカウント価値が上がっていきます。

まとめ:密着型コンテンツは“物語”のあるブランドを作る鍵になる

TikTokにおける密着動画は、単なるVlogやドキュメンタリーの域を超えて、**ブランドの裏側を言葉なしで伝える“ストーリー型コンテンツ”**へと進化しています。

  • 働く人のリアル

  • サービスが生まれる背景

  • 誰かの1日がつくる価値

これらを映像で届けることは、商品説明以上に深い信頼や共感を生む力を持っています。

次のアクションとして、以下の取り組みを検討してみてください。

  • 社内で「密着してみたい部署・人」のアイデアを出し合う

  • 撮影しやすい現場を優先に、試験的に1本作ってみる

  • コメントを中心とした“見せる順番”の調整でストーリー性を高める

TikTokはただの宣伝媒体ではありません。
日常のリアルを通じてブランドの“物語”を育てる、新しいメディアです。

密着動画というフォーマットは、その物語を視聴者に届ける強力なツールになります。
ぜひ、次の投稿から“あなたの会社の1日”を物語にしてみてください。

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